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ボディメカニクス
ニチイ学館の実技スクーリングでは、ベッドから車椅子への移乗方法も習います。ホームヘルパーは様々な場面で利用者を移動することがあります。
車椅子からベッドへ、床から車椅子へ、車椅子からポータブルトイレなどの便座への移動など日常の中に移動する機会はたくさんあります。
むしろ同じ体勢のままではどんどん身体は弱っていくばかりなので移動することも大事です。そうした移動の際に使われるのが「ボディメカニクス」と呼ばれる技術です。これを使えば、小柄な女性や高齢の方でも男性を軽々と動かすことが可能なのです。
ボディメカニクスとは、テコの原理を応用して、小さな力で人を動かす技術です。
まず対象である利用者の手足を曲げ、小さくまとめます。そして自分の足を前後左右に大きく開き、支持基底面積(自分の身体を支える面積)を広くとります。(図40_1参照)
次に腰を落として重心を低くし、骨盤を安定させます。(図40_2参照)利用者に近づき、自分の足先を動かしたい方向へ向けます。膝の屈伸運動を利用して全身の筋肉を使って利用者を移動させます。この時、「持ち上げる」のではなく、「水平に滑らすように」移動します。(図40_3参照)
腕の力など、小さな筋肉だけを使うのではなく、全身の大きな筋群を使うのです。このようにすることで、より小さい力で大きい動きができるようになり、ホームヘルパーの腰や身体への負担を減らします。
コツをつかめば誰にでもできるプロの技で知っているか知らないかで大きく差が出ます。実際の利用者を移乗してみれば分かることですが、健常者と寝たきりの利用者では同じ体勢からの移乗でも、寝たきりの利用者の方が断然重く感じられます。
これは健常者の場合は無意識に移乗の際に力を動かしたい方向へ加担するものですが、自分で動かすことができない寝たきりの利用者の場合はそれすらできず、完全に身をまかせる形になるために重く感じられるのです。初めてそれを経験した人は必ずその重さに驚くはずです。
その時に、このボディメカニクスを活用するのです。また、利用者にとってもやみくもにかつぎあげられるよりも、このように安定した状態での移乗をしてもらった方が安心して身をまかせられるものです。
カテゴリー:ホームヘルパーの仕事
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